皆さんこんにちは、ヘルニアです。
今回はKRフランス共和国→フランス帝国で、本土奪還を狙っていきます。
エルヴィン・ティーガー様の動画を扱わせていただくことになり
第四回となる今回は、エルヴィン・ティーガー様の動画を扱わせていただくことになりました。
本日私の記事が吹き出しの形となっているのは、上記の動画が物語ベースの作品であり、それにあやかった形のためです。
エルヴィン様の作品は、イギリス王党派クーデターのプレイを娯楽性の高い形で表現した作品となっています。
また、大国ごとの背景を簡潔に説明してくれているので、KRがさっぱりという方にもぴったりの動画だと思います。
そして今回の僕は、フランス共和国のAARを「同じく物語風」で書いていこうと思います。
以下、登場人物の紹介です。
●登場人物紹介
ド・ゴールと同僚(ほぼ同じ立場の)三角形。なぜ三角形がしゃべって動けるかは「饅頭がなぜ喋って動けるのか」という答えと同じらしい……。
フランスへの帰還を目指す軍人。自らの意思で、ヘルニアとともに最前線でも指揮する。
と、メタい話はこの辺にして、お待たせしました。ここから本編となります。
※この物語はフィクションです。当たり前だけどね。
崩壊寸前の同盟
先の世界大戦で、協商陣営の英仏は敗北。
亡命したフランスは、北アフリカに拠点の中心を置き、サンディカリストからの本土奪還を狙っていたが、奪還を願うフランス人と、現地の各アフリカ人の間に、意識の差があることは明白となっていた。
フランス奪還のためには、フランス人で構成された今の12個師団だけではほぼ無理に等しい。
徴兵制度を変えるためにも、強い軍隊。そして権力を持った急進的な体制が一時的に必要だ。
そのためにはフランスを、また帝政に戻すしかないと?
……はっきり言って今のカナダやインド、サルデーニャに期待できるほどの戦力はない。
カナダは海軍こそ強大だが、それを運用し続けるほどの国力があるとは思えない。
インドは大きく三分割されて弱体化。
サルデーニャに至っては、陸軍戦力を期待するのは、どう考えても現実的ではないところまで弱まっている。
フランスがやるしかない。
幸いにしてこの約20年間で、工場は来たときとは比べ物にならないほど強化された。
あとは、兵士の数をどれだけ増やせるかにかかっている。
決まりですね。新しい皇帝ナポレオン四世が、頂点の座につけるよう尽力しましょう。
問題は仮に帝政を復活させられたとして、絶対君主の反議会的な状況になったとしてもやりにくいぞ。
その辺は心配ないです。
僕は皇帝の弱みを一つ握ってますし、こちら側の指示を聞かなかった場合は、それなりの対処でコントロールできるつもりです。
お飾りの絶対君主の方が、議会であーだこうだやるよりも手っ取り早いと思います。
……お前、昔から思ってたがいったい何者なんだよ
なにって、ただの三角形ですよ。
帝国の再興
皇帝の戴冠式とほぼ同時期に前大統領のペタンが「病死」とは。
随分と都合の良いタイミングの発表だな。
それに関しては大統領として亡くなっただけで、軍人としては生きておられます。
本人も軍に戻れて、なんだかピンピンしている様子でしたよ。
まぁあの人もまた、フランスを取り戻したい思いが強いのは俺も良く知っている。
ペタン元帥には軍人として頑張ってもらうとして、ド・ゴールさんは首相に任命と。
良くも悪くも、皇帝と近い立場の「人間」が一人はいないとやりにくいからな。
お前は目立ちすぎるし……。
ははっ。なにも言い返せませんね、これは。
トゥアレグ反乱
アフリカ奥地での人口調査も始まり、少しずつ徴兵に応じる現地の人も出てきた。
もちろん、フランス本土奪還の際には対価を支払う形となったが、本土奪還のための人的資源の確保は、きわめて順調、順調。
まったく順調じゃないぞ!
トゥアレグ連邦をはじめとした3つの勢力が、徴兵に大反対して宣戦布告してきやがった!
反乱といっても、素人が銃を持って立ち上がっただけでしょう。
訓練もかねて、新しくできた師団。何より配備した野砲と対空砲の運用チェックには、持って来いじゃないですか。
どうしてお前はそうポジティブでいられるんだ……。
まぁいい。どちらにせよ鎮圧しなければフランスはなくなる。
軍隊を派遣して、今すぐに対応だ。
あ、あともう一つ。
カナダとインドなどにも参戦要請を出しておいてください。
どういうことだ? 彼らに貸しを作ってしまうが
もし彼らが参戦して協力してくれるのなら、協同で作戦を行える演習にもなります。
将来フランス本土に上陸するとなれば、カナダ軍などとも連携は必須。
言語の違う者での連携が難しいという問題を、早めに緩和させておきたいというのが本心です。
それ以外にも狙いはありそうだが、確かに先の大戦でもそれは問題となっていた。
力を借りるのはしゃくだが、フランス本土奪還のためなら我慢も必要か。
紛争を終えてインドへ
アフリカはカナダ軍などの協力もあってすぐに終わりましたが、今度はインドが共産勢力と衝突して戦争ですか。
借りは返せる形となったが、ここまで同盟国が消滅の危機となる戦が多いとは……。
この先本当に大丈夫なんだろうか。
幸い、今度の戦いでは勝てば領土が増えますから、得られるものも決して零じゃないでしょう。
人口大国のインドが力をつけてくれることは、良いことじゃないですか。
今のフランスも改善されてきたとはいえ、決して先の世界大戦規模の戦いに耐えられるレベルではないからな。
計画としては、フランスコミューンが近々アルザス・ロレーヌをドイツに要求して、独仏が対立している間に、背後上陸する予定だが、長期戦にならなければいいが……。
まぁ、何はともあれ今はインド戦です。
兵士だけでなく、インドには歩兵装備の生産・配分にも期待しましょう。
そうだな、訓練用の銃ぐらいは作ってくれるはずだ。
拡大する共産勢力
悪いニュースと悪いニュースと悪いニュースがある。どれから聞きたい?
インド戦に勝って、共産インドの銃も一部いただくこともできて良い気分だったのに……。
そういう言い回しをするってことは、よほどバッドニュースなんですね。
あぁ、最高だ。
同陣営のオーストララシアはサンディカリストの国になっちまったし、フランス・コミューン傀儡のイタリア社会主義共和国は両シチリアを併合。
イタリアの大部分を統一したといってもいい。
でも我々の軍需生産能力は、倍近く伸びていることも事実じゃないですか。
新型の空軍も、少しずつですが生産配備中ですよ。
お前のようにポジティブにはなれんのだ。
ロシアがソビエトにならなければ、もう少し気分も良かったんだがなぁ。
あとはロシアやオーストララシアが、英仏の共産陣営に入らないことを願うばかりだ。
第二次世界大戦
とうとう始まってしまいましたね。
私たちに残された、本土奪還の最後のチャンスだ。
これを見過ごしたら、独仏のどちらかの力が高まって、国力的に二度と手が出せないことになってしまう。
そうなる前に、何としてもドイツ寄りの立場で勝たねば。
オーストリアもドイツ側で参戦しています。
最も不安とされたソビエトの介入は、ブレスト=リトフスク条約やストライキの影響が伸びているのか、今はまだありませんね。
カナダ軍やインド軍がうちについて、準備ができ次第、フランス・コミューンに宣戦布告するぞ。
シチリア上陸作戦
●対・第三インターナショナル作戦会議中
最速でフランスに乗り込みたいところだが、そういうわけにもいかない。
制海権は70~80%こちらが取れているが、通商破壊をすべて阻止するまでには達していないからな。
そこでまず、比較的距離の近い、補給面でも安易なシチリアから上陸します。
その後は、イタリアのつま先となる部分に進軍できれば理想ですが、山岳や海に阻まれ膠着する可能性が高いです。
そこで、イタリアの中心地となるローマに上陸。南北を分断し、南軍は残党の殲滅、北軍はオーストリアと合流することを第一段階の目標と……。
●作戦会議終了(ド・ゴールプランの採用が決定)
……自分の案が通ったとはいえ、何も自分が最前線に行く必要はないんですよ。
それはすまないが、無理な話だ。
カナダ軍にロンドンに行くのをやめろといえないように、私は危険な立場になったとしても、パリにいかなければならない。
首相の後任などいくらでもいるが、ド・ゴールは一人しかいないからな。
そこまで言われたら止められませんね。
ところで、オーストリアやドイツ軍との連携は、どのような手はずになっているんです?
私が事前に足を運んでけりをつけてきた。
オーストリアとは北部のローマまでを墺傀儡のイタリア共和国に組み込むことで協力を約束。
南部はサルデーニャに返還することになった。
ドイツとは、フランスの独仏国境部地域の一部をドイツに割譲ということで、協力体制をとることになった。
……良く飲みましたね。フランスの一部地域の割譲なんて。
流石に「パリをよこせ」とか言ったらぶっ飛ばしていただろうが、外交はきれいごとだけじゃ決着が付かないからな。
もちろん満足はできていないが「フランス本土の大部分の返還」をある意味約束させる形にできた。
……残りのフランス領に関しては、今後か、未来に託すとするさ。
ローマ上陸後
そうは言っても敵の数が多すぎる。
フランス・コミューン軍を中心に敵の増援が多数来た結果、南北の分断までギリギリ届かないな。
どうする? 艦砲射撃でも要請するか?
海軍は上陸時の護衛で燃料切れですよ。
今必死にオスマンから石油買っているの忘れたんですか?
そういえばそうだったな。
じゃあどうするか。野砲も対空砲も少しずつ備蓄が減ってきているし、あまり無茶な攻勢はできそうもないが……。
大丈夫。こんなこともあろうかと、シチリアに援軍を用意しています。
まさかカナダやインドのか? うちより陸軍の質が高いとは思えないが……。
ご安心を。フランス空軍約800機を用意。
200機以上の爆撃機を動かすために、今リビアから輸送船で燃料を運んでます。
あれ。海軍の補給地も今シチリアだったよな。
うちにそんな莫大な燃料を輸入する、資金源なんかあったっけ?
ド・ゴールさん。途中で輸送船が沈んだといえば、海軍も諦めますよ。
……おまえ、見事にパクったな。あとで海軍連中にどやされても知らんぞ。
そもそも、運んでいる燃料自体が……。
いえ、やめておきましょう。これ以上はばれた時、自分の首が飛びかねません。
いや、そもそもお前首ないだろ。ってかどこが首なんだ。
南北分断の成功とマルセイユ上陸
軍を(イタリア南部で)大規模に失ったフランス・コミューンには、海岸防衛の師団まで徴兵する余裕はなかったようで、ほとんど抵抗なく上陸。
内地もスカスカで、イタリア社会主義共和国との分断は、時間の問題みたいですね。
あとはイタリアで防衛していたド・ゴールさんの本隊が、今頃フランス南部に援軍として付くはずだから、その隊と合流して……。
――大変なことになったぞヘルニア、これを見てくれ。
イタリア共和国の降伏
俺はフランスについてから通信でこのことを知ったのだが、オーストリア傀儡のイタリア共和国が降伏したらしい。
その影響で、オーストリア軍と防衛を交代したカナダ軍はパニック。
防衛ラインを抜かれ、じりじりと後退しているらしい。
――どうする? 今からならイタリアの援護にも回れるが?
いえ、この機は逃せませんよ。
万が一にも、今マルセイユから全軍撤退すれば、フランス・コミューンは南部の海岸防衛を強化することは明白です。
2度3度も上陸のチャンスが巡ってくるとは限らない以上、作戦をこのまま続け、今度はこっちが第三インターナショナルを脅かすべきです。
だよな。
俺も、カナダを信頼しなきゃいけないこと以外は賛成だ。
だがカナダ以外にも協商の国がイタリアを守ってくれている。
そう簡単には、イタリアを守り切れないという事も、ないと思いたいものだ。
ボルドー西進とピレネーの悲劇
よーし進め! 進め! 大規模分断だ!
ヘルニア。あとは俺に任せて、お前は北部に向かってくれ。
パリを目指さなくていいのですか?
俺は自分でキッチリと、後方の安全確認をできないうえでの北進は反対なんだ。
独墺の交渉に、自分から行ったのが良い証拠だろ?
間違っても、後方から刺されたくはないと。
わかりました。ここからはお任せいたします。
~~1か月後。フランス南部、簡易墓地~~
あれからたったの一月で、何人がこの地で亡くなっただろうか。
少なく見積もっても20万人以上のコミューン兵士がなくなったが、ここにある十字架はたったの数百だ。
――仕方なかったんだ。今のフランスに、20万人もの人間を養える力はないし、どこか別の場所へ運ぶ船も、燃料すらもない。
だからといって、同じフランス人がこれほどまでに……。
フランス帝国のフランス人も、フランス・コミューンのフランス人も、最期は皆母親の名を呼んで、去っていくことに変わりはないじゃないか。
小銃も多数失った。もちろん消費しない工夫もしてきたが、一つ言えることがあるとすれば――もう、橋や海は見たくない。
崖なんか最悪だ。今すぐに、パリに帰りたい。
ここで止まったら、すべてが無駄になってしまう。
パリよ 私は帰ってきた
これが本当に、あのパリなんでしょうか。
見たところ、民間の即席部隊と思われるものがいくつか見られますし、何十、いや何百以上もの防衛設備が、大小問わず構築されています。
まさかフランスが誇る大通りが、ここまで悲惨な見た目となるとは。
ドイツ軍が何年かけても落とせない理由が、ようやくわかった気がするよ。
どう考えても、すぐに落とせるタイプの都市じゃありませんね。
あぁ。非常に嫌な戦い方となるが、独軍などとも連携して、長期間の攻撃で、一つ一つの防衛線を突破していくほかなさそうだな。
エッフェル塔が崩れ落ちた日
勝つには勝った。
だがフェイクのニュースと写真でしか発表できないほど、パリがズタズタになってしまうとは……。
空軍と対空砲の攻防、野砲の集中投入なども行われた結果、ほとんどの建物は損傷しています。
パリを取り返した結果、フランス・コミューンは降伏しましたが、残党はレジスタンスとなって私たちを苦しめています。
あとはイギリスだけだが、フランス軍は大きく傷ついてしまった。
レジスタンスの鎮圧。地中海からドーバー海峡への海軍の移動も含めて、しばらくは準備期間になりそうだ。
それは戦闘を共にした、ドイツ軍もわかってくれているみたいです。
仏・加・独で、最後の作戦に入りましょう。
ブリテン島攻略作戦
~~独・仏・加共同イギリス攻略作戦 会議中~~
残されたイギリスは、燃料の備蓄がほぼないものとみられ、また加・独・仏海軍の方位によって貿易路はほぼ完ぺきに閉ざされています。
敵の海軍は強大ですが、その海軍を動かす力はほぼないものと考えられ、制海権の獲得は比較的容易です。
作戦としてはまず、百戦錬磨のフランス軍が一番槍の上陸を仕掛けさせていただきます。
シチリアやマルセイユの経験から一気に浸透し、可能ならロンドン近くまで橋頭保を確保するのがフランス軍の役目です。
その後、本体のカナダ軍と合流し、ロンドンを攻略。
ドイツ軍にはスコットランドなどを中心に、北部に陽動で上陸を……。
~~作戦会議終了~~
とまぁ、今回もド・ゴールプランがほぼ通りましたね。
カナダはともかく、ドイツは渋い顔をしていたがな。
まぁ、既に軍人だけで600万人も被害を出していれば、作戦に積極的でないのも無理はないか。
パリもロンドンも同じ
おいどういうことだ。事前にスパイから聞いていた情報の、2~3倍の戦力を敵は保有しているみたいだが。
どうやらパリと同じで、民間人を根こそぎ動員して部隊を増やしているみたいですね。
なんかやっつけの鉄槍みたいな武器を持っている方もいますし……。
また大規模な都市戦になるのか。
攻略がわかっているだけあって、やはり気が進まないな。
被害を少なくするためにも、カナダ軍と交代で攻勢を続けましょう。
敵に闘う意欲と能力さえなくなれば、必ずロンドンは落ちますよ。
一日中終わらない攻防戦の末
やりましたね! ついに我々協商は勝利しました!
…………
ド・ゴールさん。どうしました?
いや、何でもない。
パリもフランスにもどって。ロンドンもカナダ(イギリス)にもどって、これ以上嬉しいことはない。
フランス帝国が力を取り戻せたことは、ひとまずよかったことだと思う。
歯切れの悪い感想ですね。やはり、何か思うところでも?
…………
エピローグ:戦後
戦後、イギリスとフランス本土が亡命政府に返されたのは、お話した通りだが、その後の各国、特に独・墺に急激な変化が出たことをお話しなければならない。
独はフランス帝国とともに、最もこの戦争で貢献した国ではあったが、この戦争で600万人。
民間人を含めれば700万以上が少なくとも犠牲となり、新たな領土の管理どころではない状況にあった。
事実、長引いた戦争で国内は不安定になり、ヴィルヘルム二世が崩御されたこともあり、外に目を向ける余裕はなくなっている。
オーストリアも、オーストリア人だけで100万がなくなっており、もはやハンガリーやボヘミアの支えがなければ、大国として維持されることすら困難であった。
すなわち、独墺ともに国内で手いっぱいで、国外の領土要求は一部にとどまったリヴァプール条約となったのだ。
そこでキーとなってしまったのが、墺傀儡のイタリア共和国と協商のサルデーニャだ。
事前の話し合いでは、南北で陣営別のイタリア(サルデーニャ/イタリア共和国)で分割する予定だったが、オーストリアにはイタリア共和国を援助する余裕は全くなく、またオーストリア同盟の国もイタリア共和国を支えられるほど余裕がなかった。
すなわち、ローマやトリノといった人口の多い州を抱えることを「オーストリア側」が拒否したため、イタリアの大部分はサルデーニャに併合。
その後、イタリア王国として再統一されたのである。
これにブチギレたのがイタリア共和国の人たちで、彼らは先の共産陣営との戦いで必死に戦ったにもかかわらず、何ももらえないという立場となり、不満を爆発させるには十二分な理由があった。
管理するオーストリアも、イタリア共和国を抑える余力はなく、イタリア共和国とイタリア王国の間で、衝突が起こる寸前であった。
イタリア最前線
これは単純に、イタリア同士の問題ではない。
イタリア共和国がなくなれば、オーストリアは協商との緩衝地帯を失う。
防衛する力も、生産基盤も残っていないオーストリアからすれば、最前線で盾になってくれるイタリアの存在は防衛上欠かせない。
だからこの戦争、絶対にオーストリアが噛んでくる。同陣営にいるハンガリーなども、当然援護の形をとるだろう。
そうなってくると、英仏もサルデーニャを見殺しにはできないですよね。
いくら統一されたとはいえ、イタリア王国一国だけではハンガリー軍らを止められない。
万が一にも、サルデーニャを失えばズタボロの英仏だけが残され、場合によっては独墺にまたあっけなく倒されてしまうでしょう。
もっと深く言えば、ドイツはオーストリア寄りの姿勢を見せ、先の大戦で介入してこなかったソビエトの動きも気になる。
独ソ間の衝突も考えられるほか、オスマントルコは先日グルジアに侵攻し併合。
ルーマニアとセルビアは、先の大戦でオーストリアがブルガリアに傀儡国を作ったことに猛抗議している。
……次の戦争は中欧や西欧だけでなく、東欧やアジアまでをも巻き込んだ戦争になるかもしれない。なにより――。
――また同じ国同士で戦うことになる。ミラノでヴェネツィアで、下手したらローマで。
いやなんですか?
うんざりだ。エッフェル塔やエリザベスタワーがボッキリ折れて、喜ぶ気にはなれなかった。
今度はイタリアの都市を破壊するのか? イタリア人含めた人類とともに。
…………
でもいつだって状況は同じだ。
最初にアフリカで反乱を起こされた時もそうだったが、こちらもやらねば消えてしまう。
――ここで引くわけにはいかないのだ。
フランスは戦闘でも戦争でももう負けない。
誰に揶揄されようと、勝ち続けてこその軍人だ。
軍人兼首相ですけどね。ド・ゴールさんは。
何度も言うが、後ろに引く気はないぞ。
ド・ゴールは一人だけ。
――私はフランスという国を死守するため、最後の一秒まで自分を曲げるつもりはない。そして最後には、必ずパリへ帰ってくるのだ。
『フランス帝国は、必ずパリへ帰還する』
Fin